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【週末、能登行かんけ?】旬の海鮮と情緒あふれる街並みを楽しむ旅

「能登に遊びに行きたいけど、今行っても大丈夫なの?」

最近、そんな声をよく耳にします。被災地を観光して不謹慎に思われないか、そもそもどこなら行けるのか………確かに不安に感じますよね。

でも、実は「今行ける能登」を訪ねることが、むしろ被災地の早期復興につながるんです!

能登を #旅して応援  するために、今回は「週末、能登いかんけ?」と題して、日帰りで楽しめる能登のプチ旅行をご紹介。もっといしかわ編集部が実際に現地を訪れて感じた能登の魅力をたっぷりお届けします!


今回ご紹介するのは「七尾市」

秋もグッと深まり、魚のおいしい季節がやってきました。というわけで今回訪れたのは、魚種豊富な七尾湾に面する七尾市。旬の魚介を堪能しつつ、映画で話題のスポットにも足を運んでみたいと思います。

まずは老舗の寿司屋で鮨ランチ

さっそくお目当ての松乃鮨まつのすしに到着!こちら創業150年以上の歴史を誇る老舗の寿司屋さんです。金沢から車で1時間ちょっと。JR七尾駅から徒歩圏にあるので金沢から電車1本で行くこともできます。

じつは人気のお店&週末ということで事前に予約済み。せっかく七尾に来たのに「ランチ難民になってしまった」なんてわけにはいきませんからね。ちなみにお店のリサーチにはこちらのサイト(百万石の鮨)を参考にしました。

百万石の鮨とは?
北陸を代表する食材に、親父の一貫をプラスした至極の10貫。石川の風土を知り尽くし、数多の素材を吟味した寿司職人が、味を際立たせるべく磨かれた技で握る

こちらは6代目の南智文さん(奥に見えるのは5代目)。注文を済ませて色々とお話していると、やっぱり震災後はたいへんだったそうで…。

編集部:いつ頃からお店は再開できたんですか?

南さん:再開したのは3月の頭です。それまでは水道も復旧してなくて、営業できる状況じゃなかったんです。

編集部:お店の方は無事だったんですか?

南さん:それほど大きな被害はありませんでした。ただ、工場の方は歩けないほどの段差ができて、大幅な改修が必要になってしまいました。

編集部:お店を再開するまでは何をされていたんですか?

南さん:震災直後は地元飲食店のメンバーたちと炊き出しの活動を行っていました。支援金をいただいた後はそのお金で巻き寿司を作って、より被害の大きかった奥能登にお届けしたりもしました。そのときの縁でつながった方たちが、お店に食べに来てくれるのがうれしいですね。

編集部:このあたりの復興状況はどんな感じですか?

南さん:観光客は目に見えて減っていますね…。でも、最近になって観光施設が徐々に再開している。これを機にぜひ七尾や能登に足を運んで欲しいです。

能登前寿し

そんな話をしていると、注文していた「能登前寿し」が登場!新鮮な能登のネタにこだわったお寿司。さらに『松乃鮨』ではそれ以外のお米やお酢、しょうゆなども地元の食材にこだわっているそうで、おいしくないわけがありません。

能登前寿しとは?
地元の旬のネタと能登の里山で栽培したお米を使った七尾市のご当地寿司。料金は一律2,550円で、提供する店舗で利用できるクーポン券(甘味引換券付)が発行されている

ブリに甘エビ、カニ、バイ貝。どれも絶品でしたが、筆者が一番感動したのはカワハギのにぎり。さっぱり淡白な身とこってり濃厚な肝が口の中で溶け合ってもう最高。能登の魚のポテンシャルを思う存分堪能できました!

名物の「玉宝」もゲット!なんと江戸幕府11代将軍徳川家斉公に献上したこともあるそう

南さん曰く「これからの時期はブリやカニはもちろん、ナマコやタラも美味しいですよ」とのこと。季節ごとにさまざまな旬の味覚が味わえるのも能登の魅力ですよね。

支払いは能登前寿しのクーポン券(甘味引き換え券付き)で。七尾駅観光案内所などで購入できる

松乃鮨まつのすし
住所/石川県七尾市府中町220-6
電話番号/0767-53-0053 
営業時間/11:30~14:00、17:00~22:00
定休日/日曜日(翌日が祝日の場合は営業)

食後のコーヒーを求めて歴史街道を散策

一本杉通り商店街

続いて向かったのは、『松乃鮨』から徒歩5分の場所にある一本杉通り。600年以上の歴史を持つ街道です。古い建物が多いこの界隈は全半壊してしまった建物も多く、現在も復旧作業が続いています。

そんな中、8月には能登半島地震で被災した事業者のなりわい再建に向けて仮設商店街が整備され、2024年11月現在は4店舗がこの場所で営業を再開しています。

訪れたのはその一角にある中央茶廊ちゅうおうさろう。昭和28年(1953年)創業の老舗喫茶店で、旧店舗は人気漫画で映画化もされた「君は放課後インソムニア(以下、君ソム)」の聖地としても知られています。

マスターの窪丈雄さん

編集部:地震の影響で旧店舗は相当な被害を受けたと聞きました。現在はどんな状況ですか?

窪さん:コーヒーの焙煎機ばいせんきや創業時から使っているイスなどの大切な道具は無事でしたが、お店の方はとてもじゃないけど使える状態ではなくて、つい最近解体されることが決まりました。

編集部:そうなんですか…。

窪さん:今までにない大変な経験でした。でも、決してマイナスなことだけではなくて。休業中に県外のイベントに積極的に参加することで、逆に今までなかった新しいチャンネルが増えたり、ピンチをチャンスと捉えることで新しいつながりやビジネスのアイデアが生まれたと思っています。

編集部:営業再開後の客足はいかがですか?

窪さん:常連のお客さんをはじめ、ボランティアの方たちや能登への観光や君ソムの聖地巡礼で訪れる方など、少しずつですが客足は増えています。この調子でこの一本杉通りにも人が増えていくといいですね。

君ソムの作者であるオジロマコト氏は、被災地支援の一環として七尾市内でライブイベントも行った
名物のホットケーキ(700円)を注文。昔ながらのシンプルな味わいで、コーヒーとの相性も抜群!

震災の影響によって多くの建物が倒壊してしまった一本杉通りですが、情緒あふれる温かみのある街並みは今もなお健在。七尾市を訪れた際には、ぜひ歩いてみることをおすすめします。

中央茶廊ちゅうおうさろう
住所/石川県七尾市一本杉町100-2(仮設商店街内)
営業時間/7:00〜16:00
定休日/不定休

ちょっと寄り道。フォトジェニックな街の風景

今回の週末プチ旅行はすべてのお店が徒歩圏内。せっかくなので街ブラをしながら印象的な風景を切り取ってみました。

御祓川みそぎがわにかかる尾湾橋からの風景。君ソムの聖地としても人気を集めている
鮮魚店や飲み屋などが混在する銀座通り。レトロな雰囲気が心をくすぐる。
七尾駅前にあるパトリア。商業施設と公共施設が併設した市民の交流の場になっている
能登前寿しクーポンの甘味引換券を使用して、一本杉通り『御菓子処 花月』の銘菓もゲット!

海の幸の宝庫!食祭市場でお土産えらび

道の駅 能登食祭市場

すっかり七尾市中心部のプチトリップを満喫したので、帰りに能登食祭市場のとしょくさいいちばでお土産を買って帰ることに。

こちらの施設では、四季折々の新鮮な海産物や特産物を販売するだけでなく、道の駅として観光案内や能登の祭りの情報発信もしているので、旅行前に立ち寄って情報収集するのもありだと思います。

地震で建物に大きなひびが入るなどの被害を受けた『能登食祭市場』ですが、ゴールデンウィークから営業を一部再開。2024年11月8日現在は8割近くのお店が営業を再開しています。

そしてなんと!11月16日には、新鮮な魚介類をその場で焼いて食べられる名物の浜焼きコーナーが復活するとのこと。館内の鮮魚店で好きな魚介類を買って焼くのは、まさに市場ならではの醍醐味だいごみですよね。

市場内には新鮮な魚介類がずらり!
能登の地酒も充実
能登島ガラスや輪島塗などの工芸品も

魚介系はもちろん地元の銘菓から地酒までさすがの品揃え。どれをお土産にするか迷ってしまいます…。お土産えらびまでしっかり楽しんで、帰路につきました。

能登食祭市場のとしょくさいいちば
住所/石川県七尾市府中町員外13-1
電話番号/0767-52-7071
営業時間/1階:平日 10:00〜16:00、土日祝 9:00〜17:00 2階:11:00〜(一部店舗のみ営業)
定休日/火曜日

本記事に記載されるデータは2024年11月8日現在のものです。最新情報は各店舗へ直接ご確認ください

週末プチ旅行の感想まとめ

今回のプチ旅行で印象的だったのは、地元の人たちがとても前向きになりわいの再建を目指しているということ。そのがんばりを後押しするためにも、もっと積極的に能登に足を運んで、消費活動をすることが大切なんだと改めて感じました。

七尾には今回紹介した施設以外にも「花嫁のれん館」といった能登ならではの施設も目白押し。ぜひ、今度の週末は七尾まで足を運んでみてください!

プチ旅行の足跡を辿るマップも公開中!

今回訪れたスポットはこちら!

「今行ける能登」 はこちらから!

石川県観光公式サイト「ほっと石川旅ねっと」では「今行ける能登」を定期的に更新中。週末のプチ旅行にぜひご活用ください。


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