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県職員がゆく!「能登農林水産業ボランティア」体験記


こんにちは、戦略広報課のUです。

「能登のために、何かしたい」
「ボランティアに興味があるけど、自分には重いものを運んだりするのは難しいし・・・」

そのように感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

そんな皆さんに知っていただきたいのが「能登農林水産業ボランティア」

災害に関するボランティアというと、家屋の片付けや炊き出しなどを想像する方も多いかと思いますが、このボランティアは震災の影響で人手不足が深刻化している能登の第一次産業を救うためのもの。

「どんな流れで、どのようなボランティアを行うの?」
「どんな人が参加しているの?」

そんな声が聞こえてきそうですね。そこで今回は、県の広報を担当する職員として、実際にボランティアに参加して、自ら体験してきました!


ボランティアに参加するまで

参加登録

まず、ボランティアに参加するためには、事前に災害ボランティアに登録する必要があります。その後、登録したメールアドレスに募集案内が届くので、それをもとに参加するボランティアを選んで、申し込む形になります。

活動内容

対象エリアは能登全域。農産物の収穫のほか、草刈りや泥上げ、農道や水路の簡易的な補修、事務所や納屋の片付けなど、活動内容は多岐にわたります。また、令和6年奥能登豪雨に伴って、新たな募集も開始されています。

用意するもの

今回参加したボランティアは、穴水町にあるブドウ農園での収穫作業。それを踏まえて以下の持ち物と服装で参加しました。

・着替え
・マスク
・ドリンク
・雨カッパ
・虫よけスプレー
・ゴミ袋

とくに持っていって良かったのは虫よけスプレー。外での作業になるので害虫対策は必須です!時間帯によっては、お昼ごはんも必要になるかと思います。

金沢から穴水へ。いざ出発!

集合時間のAM6:00に間に合うように、金沢市内をAM4:00に出発。のと里山海道経由で穴水町に向かいます。

のと里山海道(同乗者撮影)

ひたすら車を走らせていると、空が少しずつ明るくなってきました。全線で対面通行が再開されるなど復旧作業が進んでいるのと里山海道ですが、ところどころ道路は上下左右にうねっていて、まだまだ走行には注意が必要ですね。

集合場所に到着!

用意されたワゴン車に乗って、収穫作業が行われる農園に向かいます。

ブドウ農園に到着すると、スタッフさんが収穫に向けて丁寧に説明をしてくれました。初心者でも大丈夫そうで一安心。

ちなみにこの農園では、毎年地元のお母さんたちが収穫作業をしていましたが、震災の影響でそれどころじゃない方が多く、こうしてボランティアに頼らざるをえない状況なのだそうです。

いよいよ収穫作業スタート

時刻はAM7:00前。9月中旬でもこの時点ですでに暑かったです。軽作業とはいえ体を動かすので、とくに暑い時期は飲み物を多めに持参した方が安心ですね。

収穫するのはワインに使われるブドウ。たくさんなっている実の中から、紫色に熟したものだけ収穫していきます。ブドウがツタに絡まっていたりするので、最初のうちはそれをうまくほどきながら収穫するのに苦労したけど、やっているうちすぐに慣れました。作業自体はとっても簡単!

収穫は40〜50分作業して、20~30分休憩というサイクルで行われます。作業は簡単なのですが、日頃の運動不足もたたって結構腰にきてます(笑)。

最初に内容を聞いたときは「5〜6時間も作業するなんて大変そう」と感じたけど、実際にやってみるとあっという間。収穫作業を楽しむ余裕さえありました。

人生で食べた中で一番おいしいスイカ

今回の参加者は全部で8名。20代から60代まで県内外のさまざまな世代の方が来られていて、中には発災直後からガレキ撤去などのボランティアを行っている方もいました。

「ガレキ撤去のような重労働は無理でも、自分に何かできることをしたい」。そんな思いで、このボランティアに参加した学生さんもいました。能登農林水産業ボランティアが「能登のために何か貢献したい」と考える人たちの受け皿にもなっているのだと感じました。

休憩中には農園の方からスイカの差し入れも。作業のあとのスイカは、体に染みわたり、今まで食べたスイカの中で一番おいしかったです!

ボランティアを終えて…

正午に作業が完了。たっぷり汗もかいて、なんともいえない達成感がありましたが、それと同時に農園がとても広くて、まだまだ作業が残っていることを実感しました。自分ができたのはほんの一部分であって、こうしたニーズはきっとたくさん残されているはずです。

ボランティアを通して、能登の大切な第一次産業を支援する。もちろんそれが大前提になるけれど、個人的には普段なかなか接する機会のない人たちと出会える点も大きな魅力だと感じました。能登のために何かしたいと思っている方たちとの会話から学ぶことは多く、とても貴重な経験をさせてもらいました。

これまで戦略広報課の一員として被災者向けの情報発信はしてきましたが、自分の体を使って被災地に貢献する機会はなかなかありませんでした。だからこそ、普段の仕事とは違った形で被災地に貢献できるチャンスだと感じたのが、今回のボランティアに参加した一番の理由です。実際に参加してみても、作業自体は楽しく、少しでも能登のためになっていると実感できました。またいつか、参加してみようと思っています。

ボランティアの内容としてもハードルが低いものが多いので、興味のある方はぜひ参加してみてください!

自分へのご褒美に、能登の海鮮丼を食べて帰りました。

※この記事の取材は令和6年(2024年)9月中旬に実施されたものです。
 実際に募集中ボランティアは、県ホームページからご覧ください。

県では、今回ご紹介した能登農林水産業ボランティアをはじめ、いしかわ農村ボランティアトキめきボランティアなど、里山や里海、そして地元の農村を守るボランティアを募集しています!
以下のページでは、各ボランティアについて、動画でもご紹介しています。
詳細はこちらから☟